2016年、環境産業の市場規模は約104.2兆円 約3.6%増で過去最大
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環境省は、国内の環境産業について「市場規模」「雇用規模」「輸出入額」「付加価値額・経済波及額」の推計結果をまとめた2016年版報告書を公表した。

これによると、国内環境産業の市場規模は、2016年に約104.2兆円(前年比約3.6%増、2000年の約1.8倍)となり、過去最大となった。全産業に占める環境産業の市場規模の割合は、2000年の6.1%から2016年には10.4%まで上昇した。また、2016年の雇用規模と付加価値額も過去最大となり、環境産業が日本の経済成長に与える影響が大きくなっている。

なお、環境産業については「供給する製品・サービスが、環境保護と資源管理に、直接的または間接的に寄与し、持続可能な社会の実現に貢献する産業」と定義している。また、「環境汚染防止」、「地球温暖化対策」、「廃棄物処理・資源有効利用」、「自然環境保全」の4分野に分けている。

その他の推計結果概要は以下の通り。

市場規模は廃棄物処理・資源有効利用分野が牽引

2016年の国内環境産業市場において、4分類の中で最も占める割合が大きいのは、「廃棄物処理・資源有効利用分野」だった。この分野では、「建設リフォーム・リペア」の成長に牽引される形で「リフォーム・リペア」が、また「都市ごみ処理装置」の成長に牽引される形で「廃棄物処理・リサイクル設備」が増加するなど、2016年に大きく増加に転じた。

地球温暖化対策については、2016年は再生可能エネルギー発電システム」が大きく減少した一方、「再生可能エネルギー設備管理」が大きく増加した。

 

雇用規模は約260万人で過去最大に

国内環境産業の雇用規模は、2016年に約260万人(前年比約2.6%増、2000年の約1.5倍)と、過去最大となった。分野別にみると、廃棄物処理・資源有効利用分野は増減を繰り返しているが、2016年は「リフォーム・リペア」を始めとした「資源、機器の有効利用」分野の増加に伴い、再び増加に転じた。

地球温暖化対策分野については、2013年以降、「クリーンエネルギー利用」分野の市場規模が拡大し続けていることにより、この分野の雇用規模が2012年から2015年の3年間で約14万人増加したが、2016年は減少に転じた。

輸出入額の大部分は地球温暖化対策分野

環境産業の輸出額は、2016年は約11.3兆円(前年比約7.1%減)。大部分を「地球温暖化対策」分野が占め、その中でも特に、「低燃費・低排出認定車(輸出分)」・ハイブリット自動車」の占める割合が大きくなった。2015年の12.2兆円からの減少分は、「低燃費・低排出認定車(輸出分)」の減少の影響によるものである。

環境産業の輸入額は、景気減速の影響を受けた2009年に落ち込んだものの、それ以降は増加からほぼ横ばいとなり、2016年に全体で約3.9兆円(前年比3.6%減)となった。大部分を「地球温暖化対策」分野が占め、その中でも特に、「太陽光発電システム」・「低燃費・低排出認定車(国内販売分)」・「ハイブリット自動車」・エコカー・「サルファーフリー(低硫黄)のガソリンと軽油」の占める割合が大きくなった。

付加価値額は約42.3兆円で過去最大

環境産業の付加価値額の推移は、市場規模の推移と概ね同じ傾向にあり、2016年に全体で約42.3兆円と過去最大となった。

全産業の付加価値額(GDP)は、ほぼ横ばいの傾向にあるものの、環境産業の付加価値額は、リーマン・ショック後の世界的な景気減速の影響を受けた2009年を除き、おおむね増加傾向にある。GDPに占める環境産業の付加価値額の割合は、2000年の5.3%から2013年の8.0%まで増加し、その後やや減少したが、2016年に再び7.9%まで増加した。

2016年の環境産業の経済波及効果は約207兆円となり、その市場規模と比較しておよそ2倍の規模となっている。環境産業の中で、「リフォーム、リペア」、「省エネルギー建築」、「リサイクル素材」などが経済波及効果の大きい部門となっている。

環境産業に関する情報について

近年、再生可能エネルギー分野を始めとして成長しつつある環境産業は、環境負荷低減だけでなく、経済成長にも貢献している。環境省は、「経済・社会のグリーン化」や「グリーン成長」において重要な役割を担っている環境産業の市場規模などの推計結果をまとめた「環境産業の市場規模・雇用規模等に関する報告書」を毎年公表している。

なお、この推計に当たって、毎年、環境関連法令や近年の環境産業の発展を踏まえ、推計対象産業の見直しを行っている。2016年版では、新たに「炭素繊維素材・製品」、「宅配ボックス」を推計対象とした。このため、昨年まで発表した推計数値と一致していない箇所がある。

また、環境省は今回、環境ビジネスを展開する企業のうち、「生物の特徴(構造や機能等)を商品やサービスに活用したビジネスを展開する企業」20社に取材を行い、「効果や課題」、「成功要因」などについて検討した報告書も公表した。これは、環境ビジネスについて、官民に役立つ情報を提供するため、毎回テーマを決めて、環境ビジネスの実態に関する調査分析を行い、報告書としてまとめているものだ。

これら環境産業に関する情報は、環境経済情報ポータルサイトに掲載している。(出典元:環境ビジネスオンライン)


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