【シリーズ】川崎エコタウン Vol.5 ~川崎エコタウン リサイクル施設 クレハ環境~
関東

業界の取組み

川崎エコタウンの資源リサイクル施設や取組を紹介するシリーズ企画。
 
今回のVol.5は、廃熱利用によるサーマルリサイクル発電を行う、株式会社クレハ環境 ウェステックかながわを訪問してきました。
 
ウェステックかながわは、ウェステックいわき(本社)に続く2拠点目の処理施設として、2010年事業を開始しました。
【*ウェステックとは、ウェイスト(廃棄物)とテクノロジー(技術)を合わせた造語です】
同施設は、工場から出る廃プラスチック類や、バイオマス(紙くずや木くず)、医療系廃棄物等を焼却するだけでなく、焼却炉の廃熱を利用して発生させた蒸気で電気を作り、その電力で自社の電力を賄い、余剰電力は販売しています。
この技術により同施設は、川崎市では初、また全国的にも早期に熱回収施設設置者認定を取得しました。
電力不足が深刻な問題となっている現在、廃棄物の有効活用に積極的に取り組まれている同施設を詳しく紹介します。
 
 
 
 
今回工場を案内して頂いたのは、かながわ処理部 管理課の谷田主任。
 
同施設は大きく4つに分かれており、今回は焼却施設と前処理施設をメインに案内して頂いた。
 
・前処理施設:大きな廃棄物を細かくし、資源として再利用できる廃棄物と、焼却するものに分別。
・焼却施設:1日に210トン/3炉の廃棄物を適正に焼却することが可能。
・排ガス処理施設:廃棄物を焼却する際に発生する排ガスを処理。 
・発電施設:焼却する際に発生した熱を利用して発電。
 
 
 
 

■工場見学 焼却施設 巨大な供給クレーン
 
まず案内して頂いたのは焼却施設。
クレーン操縦室に向かう通路に入ると、実寸大のクレーン画がお出迎え。クレーンの高さは約2.5メートル、幅は約4.3メートルもあり、画だけでも十分迫力がある。この先の現場で、この巨大なクレーンが廃棄物をどのように炉に投入するのか、想像を掻き立たせてくれる。
 
 
 
 
クレーン操縦室に入ると、本物の巨大供給クレーンも登場。
 
クレーンの主な役割は、廃棄物の移動・攪拌・投入。
貯留ピット内の廃棄物を移動・攪拌し、燃焼効率を上げた後、炉へ投入する。
炉の数は全部で3つ。それぞれ炉の投入口は大きいが、中は段々と狭くなっていくので、詰まり防止の為に投入する時は一度に全て投入するのではなく、1分程かけて少しずつ投入する。
 
 
 
 
 
 
巨大なクレーンによって廃棄物が運ばれる様子は圧巻。
「UFOキャッチャーの大きい版のようなイメージなので、見学会では学生に一番人気のある施設」と谷田主任から聞き、納得。クレーンは24時間稼働している。
 
 

■工場見学 前処理施設
 
次に案内して頂いたのは分別ステージ。ここは、前述の貯留ピットに廃棄物が運ばれる前の工程。
廃棄物は、収集運搬車両で運ばれてきた後、まず重量を計り、その後貯留ピットに直投入できるものと、破砕が必要なものに分別する。
事前にマニフェストで入荷物の情報が登録されているので、分別はスムーズに行われるが、怪しい入荷物などはステージ上に載せ、手作業で内容物を確認したうえで判断している。

同施設では多くの廃棄物を焼却しているので、運ばれてくる廃棄物の量も多く、分別作業も重労働であることは想像に難くない。
谷田主任は「マニフェストに記載されていない廃棄物が混在していると分別作業に時間がかってしまう。膨大な廃棄物を安定して処理・リサイクルするために、排出事業者の皆様のご協力が不可欠です。」と話す。
 
分別後、破砕が必要な大型の廃棄物は、焼却しやすいように破砕機で細かくし、磁選機、回転式選別機、アルミ選別機で、鉄、不燃物、アルミを取り除き分別し再利用される。可燃物は、コンベヤーで貯留ピットへ運ばれ、焼却される。
 
 
■中央管制室
最後は中央管制室へ。ここでは、施設の運転状況をモニターで監視し、必要に応じて機器を制御している。1チーム5名体制で24時間監視している。
不純物が炉内に混ざると燃え方が変わり、適正な温度が保たれなくなってしまう等、担当者はどんな些細なことでも異常を感知できるよう常時モニターで監視している。

 
 
 

今回見学することはできなかったが、廃棄物が燃焼される際に発生する排ガスは、排ガス処理施設で適正に処理され、発電施設では、廃熱を利用して発生させた蒸気でタービンを回転させて発電している。
同施設での発電量は、1カ月間発電することで、およそ6000世帯が1カ月間生活できるとのこと。
 
廃棄物を安全に処理するだけでなく、廃棄物発電により自社の電力を補い、更に余剰電力を売電できる技術は、これからの時代にますます必要とされ、注目されていくだろう。
 
 
■インタビュー
工場見学後、谷田主任にインタビューさせて頂き、入社時のことから現在取り組まれている業務内容について、そしてこの業界を目指す未来の後輩達へのメッセージも頂きました。
 
―業務内容を教えてください。
管理課の業務は事業所内やあらゆる部門と連携をしたサポート業務が中心の間接部門なので業務範囲は細かい業務など多く含み多岐にわたります。中でも主な業務は営業業務(日々のマニフェスト対応)、事業所内の事務管理業務、工場見学対応等があげられます。
 
―この業界を選んだきっかけは
入社前はアジアの発展途上国で10年以上仕事をし、現地工場で低価格で大量生産、輸出をしてましたが、現在は日本だけでなく世界全体にモノが溢れる時代になりました。
便利になった一方、管理できないゴミも増え、地球環境が年々ひどくなっていくのが目につくようになり、環境保全に対して真剣に考えるようになっていました。そして日本に帰国するタイミングで、環境分野では世界のトップランナーである日本の関連企業に興味を持っていたところ、今のクレハ環境とご縁ができ入社することになりました。
 
―入社当時のことを教えてください。
2年半前入社した時はいわき本社勤務での単身赴任でしたので、ほぼ毎週末家族に会う為にいわきから千葉までを往復していました。周囲には大変だね、と言われていましたが、思ったほど苦ではなかったです。ただ、1年前にかながわ処理部管理課に配属となり、通勤時間はかかりますが毎日家から通うことが出来ますのでありがたいばかりです。
 
―一番苦労したことは?
まだそこまで苦労はしていません(笑)。日々確実に仕事をこなし続け、業務改善、業務効率を実現する為に頭をひねっています!
 
―今、力をいれている業務は?
管理課の業務の生産性を上げるためにこれまでの業務を新たな視点で見直し整備すること、また事業部全体の動きをもっと把握し連携を強めたり、新たに出来ることを模索しています。もちろん管理課業務の1つである工場見学に関しても、質を上げていき、来訪者に満足いただける案内や対応を心がけております。
 
―どのような雰囲気の職場ですか?
周りの同僚や上司も気軽に話しかけてきていただき、冗談や笑い声も交わる非常に明るい雰囲気の職場だと感じます。
 
―仕事で心がけていることはありますか?
与えられた仕事は当たり前にこなし、率先して1つ1つの仕事に対して生産性を考え、業務改善できる余地を探しながら日々の業務に向かっています。
 
―この業界に興味を持っている未来の後輩達へ一言お願いします。
環境保全に携わることは、間違いなく私達が社会の一員として、ただ生活をする為だけに仕事をしているのではなく、地球環境にも大きく貢献している、という自負をもつことが出来ます。自分たちの為にも、また将来の世代の為にも仕事の意味を見いだせる業界ではないでしょうか。
 
次回Vol.6では、リサイクルを体験して覚えられる施設 かわさきエコ暮らし未来館に訪問しますので、お楽しみに。
 
 

戻る