「食品ロス減らそう」浸透  川崎市、映画上映などで取り組み
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食べられるものが捨てられる無駄「食品ロス」を減らそうという動きが川崎市で広がりを見せている。市環境局は先月、食品ロスをテーマとした映画の市民向け上映会を初開催。関心を寄せる市民らが観賞し、「もったいない精神」を共有した。市が導入している「食べきり協力店」制度も加盟店が増加。同局は「食べ残しを忌避する意識は着実に高まりつつある」として、今後も取り組みを進めていく方針だ。(外崎晃彦)

市が上映したのは映画「0(ゼロ)円キッチン」。捨てられる食品を、おいしい料理に変える「食材救出人」がキッチンカーで欧州各国を巡るロードムービーだ。

◆民間団体と協力

食材の無駄をなくすため、おいしく食べられる工夫をしている人々と出会いを重ねながら、食の現在と未来を考えるという内容だ。市は、高津区で行われた「かわさき環境フォーラム」のイベント中、1日2回上映して、市民ら計約70人が観賞した。

上映後、見た人たちからは「普段捨ててしまうようなものも、食べられるものが多いと分かった」「食品を生かす意識を大切にしようと思う」「冷蔵庫の使い方を見直したい」などの声が聞かれた。

今月6日には、小黒恵子童謡記念館(高津区)で行われた「ウォームシェアイベント」で、1日3回上映。市は今後も民間の団体と協力して、環境イベントなどでの上映機会を増やしていく方針だ。

飲食店利用者が食べ残さないよう工夫する店舗を市が認定する「食べきり協力店」制度の加盟店増加も、市民への食品ロス削減意識の浸透を後押ししている。

◆加盟136店に急増

店舗側は小皿で提供する新メニューや「半ライス」「小ラーメン」の導入などの取り組みを、申請することで認定を得られる。

加盟店は、市が交付するステッカーやリーフレットを店内に掲示。注文を受ける際に店員が「ご飯を少なめにできます」などとすすめて、利用者に食べきりを促す。

一昨年4月の制度導入以降、昨年3月末までは、加盟が計11店舗と低迷していたが、市が店舗への呼びかけなど認知向上へのてこ入れを行い、加盟店舗数が急増。16日現在で136店舗が加盟している。

市環境局は「店舗側にとってのメリットが、認知されてきたことも増加の一因」と分析する。店舗では食べ残しが減ることで、生ゴミを捨てる手間や処理費用の削減につながるほか、ステッカーの掲示により、利用者に対して食品ロス削減に前向きなイメージが与えられる。

市はホームページに店の場所や連絡先を掲載して、市民などから問い合わせがあった際には、店舗を紹介する。同局生活環境部減量推進課の加藤一宏課長は「食品ロスの削減機運の高まりを感じている。飲食店や市民へのアピールを続け、食べ残しを減らす意識を川崎市発信で浸透させたい」と意気込んでいる。

映画上映や食品ロス、食べきり協力店などに関する問い合わせは同課((電)044・200・3436)。

【用語解説】食品ロス

まだ食べられる食品が捨てられること。日本では年間約621万トンが廃棄されていると推計されている。国民1人が1日にご飯茶碗(ちゃわん)1杯分(約134グラム)を捨てている計算となる。ロスを減らす対策として、外食時は注文前に食べきれるか確認することや、宴会時の乾杯後の30分間と、終了前の10分間はしっかり食べる「30・10(さんまる・いちまる)運動」が推奨されている。

 

出典:産経ニュース


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