ホタテガイ残渣を堆肥に 青森・むつでプロジェクト本格化
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青森県むつ市川内地区で2018年度、従来は焼却処分されてきたホタテガイの養殖残渣(ざんさ)を堆肥化し、農産物生産に活用する「ジオサイクルプロジェクト」が本格始動する。川内町漁協が事業主体となって年間500トン程度の堆肥を作り、下北ワイン向けブドウを栽培するエムケイヴィンヤードをはじめ、地元農業者らに供給する予定。市水産振興課では「残渣は燃えづらく、焼却コストがかかっていた。ごみ減量、運搬コスト削減、資源の循環につながる取り組みだ」と効果に期待を寄せている。

 同地区ではホタテガイ養殖が基幹産業となっており、同漁協の17年度水揚げ数量は2927トン、金額が12億1421万円。籠による養殖が主流で、漁業者が水揚げする際は、ホタテガイが入ったままの籠を陸上まで運んで作業する形態を取っている。

 市によると、籠には「ワレカラ」と呼ばれる甲殻類の一種や小さい貝などが大量に付着し、その量は変動はあるものの、同漁協全体で年間360~600トン。籠を再利用する際に漁業者が高圧洗浄機で落とす必要があり、同漁協ではこれまで、残渣として雨ざらしした上で、市内の一般廃棄物処理施設に運んで焼却処分しており、費用は年間数百万円に上っていた。

 ホタテガイの養殖が盛んな陸奥湾沿岸で、籠による養殖を手掛ける地区は他にもあるが、川内沖は特に付着物が多いとされる。市は「ホタテガイの生育も良い。川内川から栄養豊富な水が注いでいるためではないか」と分析する。

 プロジェクトでは、市の遊休施設となっていた川内町堆肥センターを活用。残渣に、同地区周辺の養鶏・畜産業者から出される鶏ふんや牛ふんと混ぜ込んで堆肥化する。16、17年度に行った実証試験では、化学肥料のようには強くないものの、十分に使えるレベルの堆肥ができたという。

 市は同漁協が事業着手するのに当たり、残渣とふんを混ぜるショベルカーの導入など初期投資への一部助成費用として1千万円を、21日開会の市議会定例会に提案する18年度一般会計当初予算案に計上した。

 宮下宗一郎市長は「一度陸揚げした残渣は海に戻せないため、処理が課題となっていた。残渣を地域で循環させる仕組みをつくりたい」と話している。

 

出典:デーリー東北新聞社


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