オガワエコノス(広島県/府中市) ゴミを出したその先は…リサイクルのスペシャリスト企業の想い
全国

業界の取組み

SDGs特集。今回のテーマは『リサイクル』です。70年に渡ってリサイクルに取り組むある企業を通して私たちにできることを考えます。

【石井記者】
「こちらにあるのは家庭から出た大量のプラスチックごみです。これがこの後どうなるか皆さんは知っていますか?」

トレーなど容器包装のプラスチックゴミ。次々と機械に飲み込まれ袋が破かれていきます。その先は・・・なんと人による手作業。ゴミの中に混入されているリサイクルできない異物を取り除きます。

選別されたものはまとめられて、ハンガー、布や糸などへリサイクルされます。しかし、家庭から出るゴミの分別がしっかり守られているとは言えず、作業の負担は決して軽くありません

【オガワエコノス人事総務課・堀千奈美担当課長】
「ライターとかカッターナイフとか危険物が入っているとケガをすることがありますので、特に気をつけてのぞいてほしいと思っています」

最近多いのはマスクの混入。ルールを守らないとリサイクルはできません。

ここは、府中市の企業「オガワエコノス」府中市を中心にゴミのリサイクルなどを手がけます。1952年の創立以降、年々、リサイクルできるものを増やしてきました。

こちらにあるのは、アルミ缶。一塊だけで6千3百本分。こうして集めた後、再びアルミ缶へ再生されます。

一方こちらは…紙くずや、プラスチックなど産業廃棄物を企業から回収。150度の熱で処理し、再生したのは…「RPF固形燃料」石炭に代わる燃料です。CO2の排出量が少なく、石炭に比べおよそ33パーセントも削減。ごみを減らし環境にもやさしい取り組みです。

さらに、何やら解体作業中。パソコンなどの家電を細かい部品ごとに選別していました。種類別に分けて再び活用されます。

ひとつの企業がここまで様々なゴミのリサイクルを一手に行うのは珍しく、まさにリサイクルのスペシャリスト企業です。

【オガワエコノス本山工場・井上英樹工場長】
「すべての廃棄されたごみをできる限りリサイクルするということに注力しております。しっかりと分別したりきれいにしたりして出してもらえないと、せっかくリサイクルできるものがリサイクルできない状態になってしまう、排出される方から我々まですべての方がそこを意識してする必要があると思います」

目指すは100%のリサイクル。府中市の給食センターではその試みが行われていました。
小中学校など2900人分の給食を担うこちらにオガワエコノスのトラックがやってきました。なにやら運び込みます。その中身は?

【オガワエコノスロハス事業部本山工場・廣川勝久さん】
「学校給食の調理くずになります。これはじゃがいもの皮です」

給食の調理で出る屑を回収していたのです。

工場にはこうして給食センターやスーパーの惣菜売り場で出た調理くずが集まります。廃棄される食材にもみ殻や、かんな屑などを加え5日間をかけかき混ぜ、その後、3カ月以上をかけ発酵させると…。エコ堆肥。土を柔らかくする土壌改良剤に。
企業と市が連携し、リサイクルできるものを増やしたのです。

【府中市学校給食センター・長岡正俊センター長】
「今まで燃やしていましたので、有効活用できるということが大切なことじゃないかと思っています」

この取り組みはさらなる広がりも見せています。こちらはエコ堆肥を使った自社農園。

【オガワエコノスロハス事業部・富田善美さん】
(Qなぜ農園が会社の中にあるんですか?)「堆肥を使って地域の子どもたちと一緒に野菜作りをしています。地域の方と学校と行政と一緒に連携しながら環境活動していきたいなと思って畑の方をさせてもらってます」

ここでできた野菜は月に1回開く朝市で、地域住民へ安く販売。食の循環も生み出しています。

【地域住民】
「こんなに安く大量に買えたので良かったです」「新鮮なんよ。孫がよろこんでくれるのが一番うれしい。ばあちゃんとしてはな」

リサイクルをしておよそ70年。こちらの企業が今、力を注ぐことがあります。
この日、工場見学へ行政や教育関係者が訪れました。国や市と連携し「環境教育」の機会を作り、子どもたちを含め年間1600人が訪れ環境学習をしています。

【神石高原町からの参加者】
「もう現実はこういう風になっているのかと驚くことばかりでした。特に子どもにはいい刺激になるんじゃないかな」

【府中市からの参加者】
「学校で分別もしているが、その分別先はどうなっているか意識した上で、次のことを考えての行動につながるヒントがたくさんあった」

新型コロナウイルスの感染が拡大した去年からは新たな試みも始めました。

【オガワエコノス人事総務部・丸町美紀さん】
Qこれは何をしていらっしゃるんですか?「リモートで見学をしています。オンラインで参加されている方もいるので体感できるようにリモートでつないでいます」

オンラインでの見学や研修を始めたことで遠方からの参加も可能に。コロナ禍でも伝え続けています。

【オガワエコノス人事総務部兼事務統括部・塚本知宏部長】
「ゴミではなくそれを資源に変える。まずは分別。そういったところの認識を持っていただく、リデュース(、リユースが大切ですよ。そういった所を知ってほしい」

リサイクルは最終手段。その前にできることがある。まずは、目の前のゴミと向き合ってみませんか。

 

出展:広島ニュースTSS


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